病気のはなし

気になる症状

お腹が痛い

小児科外来では、発熱・咳嗽・鼻汁などの症状に続いて多いのが、腹痛や下痢・嘔吐などのお腹の症状です。

腹痛の原因として一番多いのは、胃腸炎(吐き下し・お腹の風邪)ですが、腹痛を症状とする病気は重症のものがあり注意が必要です。

では子供の場合、何歳くらいから腹痛を訴えることができるのでしょうか?お子さんによって違いはありますが、2~3歳頃から「お腹が痛い」と訴えることができるようになります。ただし、正確に腹痛の部位を伝えることができるのは4歳以降と思われます。それまでは、別の場所の痛みやしんどさを「お腹が痛い」と訴える場合があり注意が必要です。

小児科医にとって腹痛は重症の病気が原因の場合もあることから、診察には緊張を伴います。緊急を要する腹痛の代表的なものは、虫垂炎(盲腸)と腸重積症(腸が重なる病気)でいずれも診断が遅れると大変なことになります。その他、便秘や食物アレルギー・アレルギー性紫斑病などでも腹痛を伴う場合があります。

家で子供さんが腹痛を訴えた時、すぐに病院に行ったほうが良いのはどのような場合でしょうか?①のたうち回るようなひどい腹痛②頻回の嘔吐を伴ったり水分をほとんど飲めない時③吐いた物が胆汁を含む(黄褐色や緑色の嘔吐)時、④顔色が悪くぐったりする時⑤血便を伴う時、などは早めに医療機関を受診する必要があります。受診の判断を迷うこともあると思いますが、お腹の病気は種類によっては診断までの時間で予後が変わる(診断が遅れることで重症化する)場合もあるので、「迷った場合は受診する」のスタンスで良いと思われます。結果的に軽症で心配ない腹痛であるかもしれませんが、重症な病気の見逃しを防止することができます。

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