病気のはなし

生活

子供にとっての新年度

1月は1年の始まりですが、4月は新年度の始まりです。生活の変化という視点で見ると、保育園・幼稚園・学校への入園や進級時期となる4月の方が大きいでしょう。

保育園・幼稚園に入園した子供さんは、朝親御さんと離れるのを嫌がったり、登園して数日で熱を出したりと、なかなか大変なことが多いと思います。小児科外来にも、そういうお子さんの受診が増えます。

また体は元気だけれど、何だか怒りっぽかったり・逆にすごく甘えたりと、精神面での不安定さが表れやすいのもこの時期です。新しい環境は大人にとってもストレスですが、子供にとっても大きなストレスとなります。しかし、子供は感情や気持ちの表現方法が未熟であるため、親から見るとただのわがままに映ったり、行動が理解しにくいことが多々あります。また、親の方も気持ちに余裕がなく、怒ってばかりになるかもしれません。しかし、怒ってばかりでは、子供の自己評価が低くなりかえってマイナスとなります。

こどもは適応が早いので時間が解決することが多いのですが、周囲が手助けしてあげると、よりスムーズにいきます。具体的には、小さいお子さんの場合はスキンシップをとる。例えばギュッと抱きしめてあげる、膝の上で本を読んであげる、そして一歩前に進めたらそれを認めてあげる、などです。もう少し大きいお子さんでは、話を聞いて共感したり、いっしょにテレビを見るなど、共通の時間を少し多くすることがいいでしょう。また親御さんが「いつまでも続くわけではない。時間が解決する。」と、どっしり構えることも大切です。新しい環境で疲れて帰ってくるわけですから、家ではリラックスさせてあげたいものです。また、このような時期は特に十分な睡眠時間をとらせるようにしてください。

うまくこの時期を乗り切れば、暑くなるころにはずいぶん子供さんも落ち着いてくることと思います。

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