病気のはなし

感染症

アデノウイルス感染症

アデノウイルスは主に夏場に流行し俗にプール熱とも言われる咽頭結膜熱の原因ウイルスです。潜伏期間(感染してから症状が出るまでの期間)は約1週間で、39度前後の高熱と咽頭炎(のどの炎症。扁桃腺が腫れて扁桃腺炎になることも多い)・結膜炎(目が充血して赤くなる)が主な症状です。患者さんによっては結膜炎は目立たないこともあります。

クリニックの外来では綿棒でのどをぬぐって迅速診断を行うことが可能で、15分程度で結果が出ます。

アデノウイルスを退治する抗ウイルス薬はまだないため、治療は対症療法(症状に対する治療)となります。咳や鼻水が出る場合は咳止めや鼻水止めなどの感冒薬、高熱でぐったりする場合は解熱薬を使用することがあります。発熱は3~7日間(平均5日間)程度持続します。また、病気の後半になると鼻閉(鼻づまり)がひどくなり、鼻出血を起こすこともしばしばあります。飛沫感染(咳・くしゃみ・会話などによって空気中に飛び散った病原体を吸入することにより感染すること)で拡がり、家族内での感染や保育園・幼稚園などで集団流行が起こることがあります。

アデノウイルスは数十種類の血清型(タイプ)があり、胃腸炎を起こすタイプや結膜炎(はやりめ)のみを起こすタイプ、膀胱炎を起こすタイプもあり症状は多彩です。多くは予後良好で自然治癒する感染症ですが、まれに重い肺炎などをおこし重症化することもあり注意が必要です。

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