病気のはなし

皮膚の病気

水いぼ(伝染性軟属腫)

水いぼは伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)とも呼ばれ、子供の皮膚に直径0.5~3mm程度の小さないぼが多発する病気です。痒みを伴うことがあり、掻くことで体の他の部位へ拡がります。ポックスウイルスという名前のウイルスが原因で、幼児期に起こりやすく、兄弟間や保育所・幼稚園などで皮膚と皮膚の接触により感染することが多いです。

治療はすぐに治したい場合は、皮膚科や小児科でピンセットでつまんで摘除します。しかし痛みを伴うことと、ウイルスが原因のため再発が多いことが問題となります。また、ヨクイニンというハトムギを原料にした漢方薬を数か月内服することで改善する場合もあります。しかし、一般的にはウイルスに対する抵抗力ができると自然治癒する病気であり、治療なしで経過を見ても1年で9割以上の人が治ります。アトピー性皮膚炎の子供さんや、乾燥肌の人が水いぼになると悪化しやすく治るまでに時間がかかることが多いです。

習い事や保育所・幼稚園でのプールの時に、水いぼがあるとプールへの参加を制限されることがありますが、自然治癒する病気なので、どこまで厳格な対応をとるかは意見の分かれるところです。2013年5月、日本臨床皮膚科学会、日本小児皮膚科学会などから、伝染性軟属腫(水いぼ)は、プールの水ではうつらないので、プールに入っても構わないが、タオル、浮き輪、ビート板などを介してうつることがあるので、「これらを共用することは出来るだけ避けましょう」「プールの後はシャワーで肌をきれいにしましょう」という統一見解が出されました。

当クリニックでは自然治癒する病気であることを親御様に説明し、「プールへ入れない」などの問題がなければ摘除はせずに経過をみることが多いです。

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