病気のはなし

感染症

インフルエンザ

インフルエンザの流行は例年11月下旬から12月上旬頃に始まり、多くは年明けから流行が拡大します。流行はA型から始まります。A型は厳密にはAソ連型・A香港型に分かれますが、病院の外来で行う検査キットではソ連型・香港型の区別はできません。そして春が近づくとB型インフルエンザの患者さんが増えてきます。

インフルエンザに感染すると約2日間の潜伏期で発熱・咳・鼻水・頭痛・関節痛・全身倦怠感などの症状が出現し、抗インフルエンザ薬で治療しない場合、発熱は約5〜7日程度続くことが多いです。いわゆる「かぜ」と比べて、全身症状が強いのが特徴です。また、小児では急性中耳炎を合併したり、熱性けいれんや気管支喘息を誘発することがあります。熱性けいれんや気管支喘息の既往があるお子さんは注意が必要です。

インフルエンザの診断は、鼻水を利用した迅速診断キットが利用されます。年々改良され、早期に診断が可能となってきている印象がありますが、鼻でインフルエンザウイルスが増殖しないと陽性とならないため、発熱後半日から1日程度経過してから検査を施行した方が正確に診断しやすいです。

インフルエンザは一般的に自然治癒する病気ですが、日本ではタミフルやリレンザ・イナビルなどの抗インフルエンザ薬が頻用されています。これらの薬を早期に使うと、通

通常5〜7日間続く発熱を1〜2日間短縮します。(ただし、タミフルは異常行動との関連が否定できないため10代の患者さんへは原則投与しません。またリレンザ・イナビルは乳糖を含むため、重度の牛乳アレルギーの方でのアナフィラキシーの報告があります。)

学校や保育園・幼稚園での感染拡大を防ぐために、インフルエンザに罹患した場合は、発熱した日を0日として5日目まで、かつ解熱してから2日間(幼児は3日間)は休むように法律で決められています。

手洗い・うがいの励行、また普段から十分な睡眠と栄養をとって、インフルエンザに罹らないように心掛けたいものです。

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