病気のはなし

感染症

溶連菌感染症

発熱とともにのどが痛くなり扁桃腺が赤く腫れて舌にブツブツも出てきた。首のリンパ節もひどく腫れてきた。これらは溶連菌感染症の典型的な症状です。

 溶連菌は主に飛沫感染で人から人へうつり、2〜5日の潜伏期の後に症状が出ます。小児では全身に赤く細かい発疹が出る(しょう紅熱)ことがあり、年長児では吐き気やおう吐などの消化器症状もしばしばみられます。

 クリニックではのどを綿棒でこすった検体を利用して、迅速診断キットによる検査を使って約10分ほどで感染を診断することが可能です。

 治療は抗生剤を10日間ほど内服します。溶連菌は抗生剤に弱い菌なので、通常は薬を飲み始めて1〜2日ほどで、熱も下がり元気になりますが、稀な合併症としてリウマチ熱や急性糸球体腎炎があり、処方された抗生剤は最後まで内服することが重要です。また、不十分な治療では再発も多くなります。周囲への伝染予防のため診断後1〜2日間は登園・登校を控える必要があります。また、小児科クリニックでは腎炎が起きていないかを確認するために、溶連菌が治った後に尿の検査をして血尿や蛋白尿が無いかを確認しています。

 溶連菌は皮膚に感染し「とびひ(膿痂疹)」を起こしたり、水痘との同時感染を起こすと稀に重症化することも知られています。小児科クリニックではありふれた感染症ですが、症状は多彩で奥の深い病原菌です。

戻る

ページの先頭へ