病気のはなし

感染症

水痘(みずぼうそう)

水痘は水痘・帯状疱疹ウイルスの初感染により、発疹・発熱などの症状を来たす疾患で、多くは小児期に初感染をおこします。

水痘ウイルスは空気感染しウイルスが体の中に入ると2〜3週間の潜伏期(多くは2週間程度で)水痘を発症します。発疹は病初期に顔・頭・胸腹部や背中などの体の中心部から出現し、四肢へと拡がります。発疹の形態は発赤→水疱形成→黒いかさぶた(痂皮)と変化します。この体の中心から出現するのが水痘の発疹の特徴です。同じように水疱を伴う発疹がでる手足口病は発疹が多く出現した場合は区別が難しい場合がありますが、その名の通り手足のほうに発疹が多く出るのでそれで診断します。

幼児期に罹患した水痘の多くは投薬なしでも自然経過で治りますが、1歳未満や15歳以上では重症化することもあり注意が必要です。年齢や症状によってアシクロビルという抗ウイルス薬を処方することもあります。また、様々な病気によりステロイドなどの免疫抑制剤を使っているお子さんも重症化することがあり注意が必要です。水痘ウイルスは水痘治癒後も神経節に潜伏感染を起こし、疲れや加齢などにより体の免疫が落ちると再活性化して帯状疱疹(神経に沿って疼痛と赤色水疱疹が出現します)を発症することがあります。

水痘ワクチンは2014年10月より定期接種となりました。1歳以上3歳未満のお子さんに2回接種を行います。水痘ワクチンの接種により発症の予防や重症化防止を期待できます。水痘は治るまで1週間程度かかること、まれに重症化すること、また水痘に罹患後1か月程度免疫力が落ちるため、他の病気が重症になることがあるので、ワクチン接種が勧められます。水痘ワクチンの定期接種化の効果はすでに現れており、2015年より水痘の発症は減少傾向となっています。(国立感染症研究所のデータを参照)

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