病気のはなし

感染症

いわゆる夏カゼ

夏に流行する風邪のウイルスはインフルエンザウイルスやRSウイルスなどの冬場のウイルスとは種類が異なり、症状も違いがあることから「夏カゼ」と総称されます。

夏カゼの代表的な疾患は咽頭結膜熱(アデノウイルス感染症)と手足口病・ヘルパンギーナです。アデノウイルスについては前回触れたので、今回は手足口病とヘルパンギーナについて書いていきたいと思います。

手足口病はその名の通り手足の先の方(特に手のひらや足の裏)に水疱性の発疹と口内炎ができる病気です。発疹はおしりや肘・膝などの関節に出ることもあります。また以前には一見水ぼうそうと見間違えるような全身に発疹がでる手足口病の流行もありました。(この時は発症して1ヶ月後くらいに、爪が剥がれるお子さんが多く出ました。)口内炎がひどくなると、食べたり飲んだりが難しくなり、外来で点滴をすることもあります。

ヘルパンギーナはのどに口内炎ができ、数日(1−3日程度)高熱がでる病気です。この病気ものどの痛みで水分が摂れず脱水になることがあります。また乳幼児では痛みで唾液をのみこめないために、よだれが多くなることもあります。

これらの病気はエンテロウイルスという名のウイルスが原因で起こります。「エンテロ」は「腸」の意味で、その名の通り最初に腸で増殖し(そのため下痢や腹痛を伴うことも多い)、その後ウイルスが体内で拡がると様々な症状を引き起こします。

これらの病気は一般的には数日の経過で問題なく治る病気ですが、エンテロウイルスはしばしば髄膜炎を引き起こすことがあり、頭痛や嘔吐などの髄膜炎の症状が出てこないかにも注意が必要です。

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