病気のはなし

アレルギー

スギ花粉症

国民病と言われるスギ花粉症。日本人の4人に1人が花粉症に罹患しているという報告もあります。さらに最近では患者さんの低年齢化が言われており、外来診療をしていても2-3歳で花粉症を発症するお子さんが珍しくなくなってきています。

例年スギ花粉は、天気予報などで伝えられる少し前、1月下旬から2月の初旬に少量の飛散が始まります。そして次第に飛散量が増加し、2月下旬から3月がピークとなります。4月になるとヒノキ花粉の飛散時期となり、ゴールデンウイーク頃までには飛散は終了します。スギ花粉症の患者さんはヒノキ花粉にも反応することが多く、2~4月がスギ・ヒノキ花粉症のシーズンとなります。(関西では4月はカバノキ科花粉であるハンノキの飛散時期でもあります。4月から花粉症の症状が始まる場合は、ハンノキ花粉症の可能性があります。)

治療は抗アレルギー薬の内服が基本で、くしゃみ・鼻水型、鼻閉(鼻づまり)型、など症状によって薬を使い分けます。また、点眼・点鼻薬も組み合わせて使用します。抗アレルギー薬で眠気が強く日常生活に支障がでる患者さんや抗アレルギー薬単独では効果が弱い方には、小青竜湯、麻黄附子細辛湯、越婢加朮湯などの漢方薬を使用することもあります。同時に花粉の取り込みを防止するためのメガネやマスクの着用も有効です。

また、当院では行なっておりませんが免疫療法(皮下注射・舌下)による治療もあります。少量の抗原(アレルゲン)を年単位で投与する治療法で、従来は「減感作療法」と呼ばれていた治療法です。根治を期待できる治療である一方、花粉飛散時期以外も治療の継続が必要です。

アトピー性皮膚炎の患者さんで花粉に対してアレルギーがある方は、花粉の飛ぶ時期に特に顔(特に目の周り)や首などの露出部分の湿疹が悪化することが多く注意が必要です。軟膏の外用・点眼薬の使用などによる治療に加えて、外から帰ったらなるべく早く洗顔や入浴を行い、衣類は部屋干しにする、などの花粉対策が必要です。

十分な対策をしてスギの飛散時期に臨み、できるだけ快適に過ごしたいものです。

戻る

ページの先頭へ