アレルギー
食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)
食物アレルギーとは、食物摂取を原因として蕁麻疹や喘息などのアレルギー症状が出現することを言います。今回は食物アレルギーの特殊なタイプである食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIAとも呼ばれます)について書きます。
FDEIAは食物を食べるだけではアレルギー症状が出現せず、特定の食物摂取+食後の運動でアレルギー症状が出現します。原因食物としては小麦が約6割と一番多く、甲殻類(エビ・カニ)(1割強)・果物(1割弱)が続きます。アレルギー症状は蕁麻疹・喘息が多いですが、症状が進むとアナフィラキシーショックという重篤な状態になることもあり注意が必要です。好発年齢は10~20歳代で活動性の高い年代に多い傾向があります。
診断は詳細な問診・アレルギーの血液検査・皮膚検査などにより原因食物を予測した上で、疑われる食物を摂取した後に運動を行う誘発試験で確定診断されます。
治療は運動前4時間(少なくとも2時間)以内に原因食物を摂取しないことが基本となります。また症状出現時は早い段階で運動をやめること、アレルギー反応を抑える薬を持参しておきすみやかに使用すること、症状が進行する場合は早急に医療機関を受診することが大切です。また解熱鎮痛薬の服用やアルコール飲料の摂取は症状を誘発しやすくするため原因食物摂取時には控える必要があります。FDEIAの症状は原因食物の摂取量や運動量、本人の体調によっても変化するため、正しい診断を行い発症を予防することが大切です。